およそ半年、秋田は冬に覆われます。秋田の食の大半は、実はこの厳しい自然環境の中で生まれ、育ち、今に伝えられているのです。雪深い長い冬は、保存・貯蔵のための発酵技術と調理加工技術を発展させ、単調になりがちな食卓は、彩り豊かに生まれ変わりました。
日本海の豊潤な海の幸、早くから開かれた水田の米、奥羽山脈からの山の幸など、素朴ながら優れた食材を秋田人の知恵と工夫が、東日本食文化の頂点ともいえる味覚へと結晶させたのです。
今や、きりたんぽといえば秋田の味の代表格として全国的に有名ですが、これはもともとは山で狩りをする「マタギ」たちの携帯食から発達したものでした。それが、徐々に一般化し現在のような形にまでなったわけですが、このように秋田の「食」は自然発生的に生まれ、いまに伝えられたものがほとんどです。
そこにはおのずから秋田の自然や風土、歴史が反映され、やがて必然的に秋田ならではの味として成長しました。つまり秋田の味とは、秋田の自然の味であり、歴史の味であるといえます。
それゆえ秋田の味には虚飾がありません。また、ごまかしもありません。作り手としては、ただ真摯に良質の素材・原料を求めること。それをまごころ込め作ることが最良にして唯一の方法なのです。当社では、そのような精神を大切にしながら現代の情勢にマッチした生産設備を整え、本当の秋田の味をお届けできるよう努力を続けております。
ふるさとの味にこだわって、今日から未来へ―
それが、さいとうのポリシーです。